「ん、ああ。聞いていたと思うけど、昔俺がババアにあげた水晶の名前。名前の由来は……あとのお楽しみだ、きっと君が気に入るものだよ」
「そう、ですか。じゃあ、“新緑の炎”って」
「さあ、ババアの私物を知り尽くしているわけじゃないから俺も知らない。ただ、予想はつくが」
「そちらも見てのお楽しみぞ、ユーリ。余の付き人は有能故、すぐに分かることだ。ほれ」
と言ったのが合図か、マトリ、ヨーシカさんが現れた。
同じ位置に、それぞれ言われたものを持って。
ヨーシカさんは真四角で手のひらサイズの紺色のジュエリーボックスを持っていて。
マトリさんとて、言われた物を持ってきたのだけど。
「マトリさん……ホコリが……」
白いタキシードだから茶色いものが目立つ。
ちらほらとつく程度だが、明らかにホコリまみれなところをくぐってきた有り様だ。


