いくら気に病むなと言われても、病むものは病むし、アフロディーテの魔女にお願いするのは、平凡市民たる私が、女王様に命令するみたいで気が引ける。
どうしよう、と思わず彼に助け舟を求めた。
「お金でいいんじゃない」
「あなたに助けを求めた私が間違っていた……。シブリールさんは本当にないんですか、欲しいモノ。私を除くモノで。やっぱり、これはシブリールさんが何か受け取るべきですよ」
「そう言われると困るねぇ……、俺が欲しいのはもうないから、何にしても君が欲しがるモノに――ああ、そうだ」
思いついた表情になった彼。何かあるらしいが。
「ラグナロク、俺があなたにあげた水晶をもらいたい」
「………?」
「ボケるなよ。この城に居座るのだから、それに見合うものを昔、俺が渡しただろう。
水晶。卵ぐらいの大きさで、夜空をつめたガラス玉だ」


