治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん



よくよく思い返せば、おかしな話しだった。



彼が、離れることに積極的だったことについて。


私のお願いを聞いてくれているんだと適当に判断したけど、私が好きだとこの状態にした張本人が、潔く、私の手伝いをしたのは完璧におかしい。


それは手伝う。十年も一緒にいられると知っていたんだから。


「どうして言ってくれなかったんですかーっ」


知っていたんだ、この変態は。


もとアフロディーテ所持者、私と一心同体にした張本人ならぬ、悪の根源、もとい、変態の鏡は。


「教えなかったって、聞かれなかったから。ただ君は、アフロディーテの魔導書が欲しいとお願いをして。『叶えてくれたらあなたの言うこと何でも聞いてあげる』と約束してくれたから、俺はこうして頑張って、君にアフロディーテを」


「屁理屈と、妄想を持ち込まないで下さい!誰があなたとそんな約束をしますかっ」


「あ、俺の望みは、君との子供が欲しい」


「なんであなたとの会話は成立しないんですかっ」