赤い眼帯。左目を覆い隠すものは、気にはなっていたが話に出さなかったというのに。
ラグナロク様の手に眼帯が握られる。
晒された左瞼。瞑っている状態では、別段変わったことはない。
ゆっくりと開いた目は――魔物の目だった。
真っ黒。瞼に入った眼球を、黒い液体に何日も染み込ませて生まれたような黒い眼球だ。
人の目である右目は蒼明色。人工的な代物である黒い左目とは世辞でも綺麗とは言えない。
「見るのは構わぬが、そうじっくりと視線を向けられるのは照れるな」
「あ、すみっ、すみません」
「気にするな、明らかにこの目は異質だ。ただ異質なのには訳があってな、致し方がないこと。
ああ、こうすれば分かるか」


