聞いていることは眠いせいで半分抜けているが。気付いてか気付かずか、彼が話しをやめることはなかった。 「狭い世界だからこそ、小さな幸せで満足できるのか。俺のように広い世界を見すぎているから――何でも見ているから、物足りないのか。 でも、今まで物足りないと思った光景でも……」 撫でられていた手が引く。それと同時に私の意識が完全、に。 「君が隣にいれば、また違った“見方”も出来るのかな」