まさか伝説になるような人物の知り合いと妹関係になってしまうとは、変なところで思いふけってしまう。
魔導書を貰えるようお願いしてくれるとアリスは言うが。
仮にも、アフロディーテの魔女。魔術師ならば、誰もが畏怖し、敬ってもいい存在。
そんな人の持ち物を貰うんだ。他人任せにし、そうして小さな子を使い借りるのは何だか忍びない。
一般的な礼儀と礼節からだった。
「ねえ、アリス。ラグナロク様に、会えないかな」
思ったことを口にする。
それでアリスはどうしようか迷い、私の発言を聞いたもう一人は。
「やめた方がいい」
冷たいような声で、その発言を否定した。
ふざけた調子が入らない真面目な声。
見れば、少し厳しいような表情で。


