「現段階、私はあなたを余計に嫌いになりましたよ。小さな子相手にまで嫉妬しないで下さいよ」
「甘いな、ユリウス。俺は君に懐く犬猫ですら、鍋で茹でたいと思うほどに嫉妬する。
君に寄り付く物体は何でもかんでも皆死ねばいいのにね」
「そこであなたは例外なんですか……」
彼も物体だろうと微かに思っていれば、アリスちゃんが私の服の裾を引っ張った。
「ユーリお姉ちゃんは、アリスのこと嫌い?」
「大好きだよ。すっごい好き。もうすっごいすっごい大好き」
返事に時間はかからなかった。しかもか何度も言ってしまう。
私に嫌われたらどうしようという不安げでチワワ並みに潤んでいた瞳が、ぱあと明るくなる。
「アリスもユーリお姉ちゃん大好きっ!」


