治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん



世界の終焉を実現させる者たち、と言われて思わずアリスちゃんを見たが、彼は察してあくまでもねと付け足した。


「実際、終焉をもたらすかは知らない。ただ単に、危険性がある奴ら。アリスは冥界を呼び出し、簡易的なあの世を、こちらに創造することが出来る。

そこを目をつけたババアが、アリスをそばにおき、その魔術を“悪い方”に行使されないように勉強させているだけだ」


彼の説明に、アリスちゃんがこくこくと頷いていた。


「でも、どうしてそんな魔導師たちを“集める”んですか」


集める理由が分からなかった。

それこそ世界征服でもするのかと危険性ありまくりのことを思うが、今現在何も起こっていない。


ラグナロク一座が噂話と霞むほどに。


聞かれた彼はどう説明しようか迷うように、やがて机の上に指を置いた。