治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん



今更ながらに気になるが、今はラグナロクの件についてが気になった。


「…………」


口を閉じ、目を閉じる。

胸元にいるアリスちゃんの温もりを感じながら、とりあえずは彼の名前を呼んでみた。



シブリールさん、シブリールさん、シブリールさん。


これであっているのかは分からないが、私のピンチに現れるというヒーロー気取りの彼ならば、呼べば来ると思った。


何より、彼は私の中の住人。主は私だ、強制だって出来るだろう。


頭で、もう一つの意識(住人)に何度も呼びかけた。


しばらくして。


「ユリウス……」


声を聞いて、目を開ければ彼がそこにいた。


ただ。


「……、どうかしたんですか」


どこかおかしい。