治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん



当たり前だろう。
昨日のあの死体への殺戮ショー。

トラウマ決定のスプラッターを笑顔で見せつける演出家(彼)に会いたくはない。


でも。


「ユーリお姉ちゃん、アリスから離れないでね……」


良い子なアリスちゃんは、きゅっと、服を掴んで私のお願いごとを聞いてくれた。


潤んだ瞳に、大丈夫だよ、もしもあの変態が何かするようだったら叩きのめすからねー。と安心してと話した。



さて、彼を出すとなると……どうしようか迷ってしまう。


私から出したいと思ったことが一度だってなく、彼がこんなにも長い時間出ないのが不思議だった。


何も言わなくても出るときには出るのだが。


自分の体を触る。
彼は中で“どうしているんだろう”と変なことを思った。