あざ笑う男に屍たちが向かう。
いやだ、いやだ。焦る腐りかけは彼にとって、笑いの種でしかない。
無様だ、滑稽だ、面白い。
本来、感情などないほどまでに劣化した脳でも――その感情だけは身に擦り込まれているんだろうと彼は笑う。
【灰は灰に。塵は塵に。流れは変わらぬ、それぞれ行きべき場所があり、逝くべき場所も決まっている】
恐怖。
恐怖で怯えるのは死体とて同じで。
――いつだってそう。
恐怖に怯える奴らを蹴散らすのは楽しくて。
【道は出来た。道筋たどりこちらに顔を出せ。こちらの世界にさようならを、そちらの世界にただいまを。
管理者よ、我に裁かれたくないのならば己が手で始末をするがいい。
我は“神々の黄昏”(ラグナレク)。この名に誓い、八十の世界の下僕を従え貴様を滅ぼそう】


