治癒術師さんに取り憑いた魔導師さん



『幽霊が取り憑くというイメージと大差ないかな。まあ、俺の場合はきちんと出現時、ユリウスとイチャイチャするために魂(空想元素)から肉体実現(元素構築)をしているから普通に生きていられるんだ。

大変だったんだよ、俺の魔導の集大成と言ってもいい。肉体の共有だなんて出来るわけがないと思ったが。

愛の奇跡だ。ユリウス、やっぱり俺たちは永遠に愛し合う仲なんだよ』


笑顔で解説してくれた彼を殴ったのは今でもよく覚えている。


被害者と加害者。


強制的に結婚させられたようなものだ。

いや、それよりも酷い。


「ユ、リ、ウ、ス」


「耳に息吹きかけないで下さい」


取り憑いた相手は変態なのだから。


こっちは彼という名のストレスを抱えて生活をしている。毎日が憂鬱だ。


「邪魔をしないで下さいよ」


「邪魔をしたくもなるよ。だってユリウス、まだ俺と離れられる方法を探しているんだから」


見ていた魔導書を取られてしまう。