ついで、薬草をすり潰すための木棒を渡される。
お手伝いをする彼。
少し悲しそうな顔で、無理しないでねと言ってくれた。
一ヶ月以上は一緒に暮らしているが、シブリールさんについて言うことがあるならば優しい人。
気遣いがなっていて、何でも出来る人であり。
「倒れそうになったら、俺の胸に飛び込んでおいで」
変態だ。
爽やかな変態だから、街娘なんか誘えばいちころなんだろう。
私としてはかわいそうなモノでも見るかのような眼差しを向けてしまうが。
「テージ、テオリー、トリート……解熱剤か。誰か風邪ひいていたかい?」
木鉢に入れていく薬草名から私が作る薬を当てる彼。
私の手伝いをするならば医学知識を身につけようと、一晩で二十の本を読破した天才。
私より詳しいんじゃないかと思ったら負けなので思わない。


