(一) レルムの村は、農村を生業とする小さな村だった。 人口なんて三桁もいない小さな村。 自然に囲まれ、天候にだって恵まれた綺麗な村だった。 その村はずれ、葉の緑が濃い森には村人の『話題』になるような女が住んでいた。 小さな村だ、その話題は誰もが知っている。 話題はお話しのように人から人へと伝わっていた。