夫の手が私の頬に触れた。
彼の顔が近づいてくると、私はそっと目を閉じた。
が、
『ふぇ~ん、ママァーーー!!!』
泣きながら亮が起きてきた。
『チッ、邪魔が入った!』と、言いたげの夫を尻目に、
「どうしたの~?怖い夢でも見たのかな~?
あ、パパ、ご飯よそって、食べてね。」
そう言うと、亮と一緒にベッドルームに行った。
なかなか眠らない亮を寝かしつけているうちに、ミイラ取りがミイラになったとでも言うのだろうか、
いつの間にか、眠りに落ちていた私…
結婚記念日には、ふたりの気持ちが盛り上がるのか、本能の赴くままに、快楽の世界に陥っていたけれど、今夜ばかりは、彼にお預けを喰らわしてしまった…。
きっと彼は思ったに違いない。
結婚記念日を忘れた『お仕置き』だと…。

