「帰るコールがかかってきた段階で、パパが結婚記念日を忘れているっていうのはわかっていたわよ。
覚えていれば、『遅くなってごめん!!!アイス買って帰るから機嫌直せよ!』くらいのことは言ったでしょ?」
ちょっと可愛げのない言い方だけど、このくらいは許してよね。
『うん…まぁ、そうだけど…』
未だに申し訳ないといった態度を隠せない夫に、
「別に忘れたって、パパを責めるつもりなんてないよ。
私達家族が雨風凌げて、食べるのにも困らないのは、パパが一生懸命に働いてくれるおかげなんだから…
パパが誕生日や記念日を忘れたっていい…私が全部覚えているから。
でも、もしも、私が忘れていたら…許してね。」

