溺れた愛のシルシ





りっくんに怒られると思ってたのに、
りっくんはなんにも言わないで、


ゆっくりと立ち上がった。


その姿は、まるで
なにかに取りつかれているような亡霊だった。



「あ、あたし...。ちょっと時間置きたい。」




あたしもりっくんのこと言えない。
自然にこんな言葉が出てきて…。


やっぱりなんかに取りつかれてるんだよ。




「ごめん…。」




りっくんはそれだけ言って、
あたしの家とは逆方向にとぼとぼ歩いて行った。