爆発的といえるほどではないが、徐々にバイオノイドも世界に浸透しはじめた。

 ステータスとして、もしくは亡き者の代わりとして、様々なことにバイオノイドは利用された。
サイバノイドに比べてかなり高価ではあったが、利用者があとをたつことはなかった。


 生産も、研究所から工場へと移されたことで大幅に量産化が可能となり、ゆくゆくはもっと安価で手に入れる時代が来るだろうと葛城は思った。

 もっとも、それらを考えるのは葛城の仕事ではない。
葛城は現在、サイバノイドとバイオノイドの研究の掛け持ちをしていた。
来栖も同様であり、他のサイバノイドたちと日々研究に明け暮れているようだった。


 もしかしたらいずれはサイバノイドは廃盤となり、全てをバイオノイドがとって代わる日が来るかもしれない。
葛城はそう考えていたが、でも……と思い返す。

 バイオノイドは人間同様の耐性しかない。
有機体である以上、細胞には限界がある。

 しかし、サイバノイドならば負荷に対する耐性が強い。
そういう方面であれば、生存していけるだろう。