道路脇にあるコインパーキングに駐車すると、朗先生はさっさと降りて助手席のドアを開けてくれる。何回かしてもらってるけど、これ、かなりドキドキ。


 そして朗先生は私を降ろすと、ピピッとキーリモコンでロックを掛けた。これだけの動作なのに、どうしてこんなにカッコイイんだろう……。



 なんてうっとりしてたら、朗先生がそのまま目の前のビルに入って行ってしまった。



 入る直前にビルを見上げてみると……




 ――予備校?


 何で予備校? まさか私に入れと?



 視線を感じて顔を戻すと、朗先生が自動ドアの向こうでこちらを見ている。慌てて後を追った。