「言葉の間違いは気をつけろよ。



餞別じゃなくて祝言だろ?」



ニヤリと笑う俺ははたから見れば美穂をいじめているようだろう。



でも実際は、



「いえ、有っていますよ。そのまま警察の犬として働き続けてください」



嫌味を含めた会話である。



「お前も一生働き続けてな、一人で」



「いええ、これでも同じ蝶ばかり追いかけて周りを見てない人ではありませんから友達が沢山いますわ。諦めて違う美しい蝶を追いかけたらどうです?」



年をとる事にコイツの嫌味を言うようになったなぁ。昔はすぐに逆ギレしとったのに。



言い返そうとしたらコトッっと人が近づいてくる音がした。



ここまでのようだ。