「相手は幹部のお嬢さんだし。



これ以上の玉の輿は」



「俺には春奈がいるんで。



それじゃぁ、失礼します」



そう言って俺は扉の取っ手に



手にかけたときだった。



「待った。


相手は幹部。



ここで断れば昇進は難しくなるぞ」




その言葉に俺の動きが



反射的に止まった。