あんなに苦しそうで悲しそうな顔をした春奈は初めて見た。



もしかしたら人が死ぬ事件にはもう関わりたくないのかもしれない。



昔を思い出すから。



そう考えると呼び出すのは彼女にとってきついものかもしれない。



「拓也、どうした?」



「・・・」



「春奈ちゃんか」



「お前は黙ってろ」



こいつの声で春奈を呼ばれるのは癪に障る。



むしろ呼ぶのは俺だけでいい。