校門の前で待つ彼女と仲良さそうに手を繋いで帰っていく孝允を眺めながら、オレも校門を出て一人歩きだした。
遥か彼方の山に沈んでいく太陽は、眩しいぐらいのオレンジ色の光を放ち、染まる空は緩やかに雲が流れていた。
地上の風もそれなりに冷たくて、両ポケットに手を突っ込んで寒さを凌ぐ。
にしても、オレが雪村のことを好き?
ないない。
ただ、外を見て涙目になる雪村が気になるだけ。
そうだよ、そうに決まってんだよ。
心の中でさっきの孝允の言葉を全力で否定する。
それにしたって、ありえねーって何でだ?
訳が分からないまま考えるのを止め、駅へと向かっていく。
途中道端に落ちている小石を蹴りながら、地面に映る自分の影を踏んでいく。
黒い影もだんだんと辺りの色と同化していき、日没の時間ももうすぐか、と。