「何で? んなこと分かんねーだろ!! それに、雪村ってどこか守ってやりたくなるようなタイプじゃんか!!」
どことなく繊細で儚い雰囲気を醸し出していて、思わず守ってやりたくなるような、そんなタイプ。
ってオレ、何、柄にもなく一生懸命力説してんだか。
「ムキになんなって。ってかやっぱお前好きなんじゃん?」
「違うって言ってるだろ? お前、殴られたい?」
「いや、勘弁。……にしても、守ってやりたくなるって……プッ」
こいつ、また吹き出しやがった。
ムカついてコツンと孝允の頭を小突いてやった。
「ッテ〜!! もういい教えてやんね〜。せいぜい理想を追い求めてな。じゃあ、彼女待たせてるから先行くな〜」
子どものように拗ねながら頭を押さえ、オレの肩を叩いてさっさと先を走っていった。
「雪村と頑張れよ〜っ!!」
その途中孝允は後ろを振り返り、大きく手を振りながら大声で叫んできた。
何言ってんだよ!!
違うって言ってんのに。
余計なお世話だっての。