何をそんなに驚く必要があるんだ?

何だ?

オレ変なこと言ったか?

考えたところで答えなど出るわけもなく、


「ギャハハハハハハ」

「何笑いだしてんだよ?」


再び笑われたことにムッとして、オレは孝允につっかかっていた。


「ハァー、ヒィー……。悪ぃーな。ハハハ……」


何がそんなに可笑しいのかまったくもって意味分からず。

こっちは真剣に言ってんのによ。

腹を抱えながら笑いすぎでヒィーヒィー言ってる孝允を軽く睨み付ける。


「いや、だってさ、あの雪村が涙って……プッ」

「何がおかしいんだよ? お前、雪村の何を知ってるわけ?」


何でか分からないけど、雪村をバカにされたように思えてイライラしてきた。

そんなオレなんかお構いなしに笑い続ける孝允に軽く舌打ちさえ出てくると、それに気付いたのかようやく笑いが止まった。そして、


「一年の時雪村と同じクラスだったしな。ってか、本当に雪村が涙ってありえねーぜ?」


らしくない真剣な表情を浮かべ、そう言い放った。