これで、雪村と一緒にいる理由がなくなった。 さっきまで触れ合っていた体は何の迷いもなく離され、もう一度引き寄せたい衝動にかられたオレはグッと拳を握りしめる。 オレの右側を少し冷たい風が通り抜ける。 それはさっきまで感じることのなかった、胸を締め付けるほどの肌寒さ。 ただ隣に雪村がいたことが、寒さなんか感じさせないぐらい幸せな時間だったと気付かずにはいられない。 ……オレ、本当に雪村のこと? って。 まじ? マジ? 本気かよーっ!!