ケラケラと笑いながら喋り続ける雪村。
「私が泣くとかありえないし。それに……」
だんだんと遠くに聞こえる声。
オレの中の雪村のイメージが、音を立てて崩れていく。
繊細?
儚い?
いや、寧ろ……正反対?
「ちょっと雨原くん!! 聞いてんの?」
「お、おぅ」
痛みが走るぐらい肩を強く叩かれ、返事をするも未だに頭がついていかない。
オレの中で勝手に理想を築き上げて、それに酔いしれていただけか。
あっ。もしかして、孝允は雪村がこんな性格だって知ってたのか?
だから、あいつあんなこと言って笑ってたのか……。
オレは自分が妙に落ち込んでいることに気づいた。
どうやら雪村のイメージが崩れたことがよほどショックだったみたいだ。
守ってやりたくなるなんて勝手な正義感抱いてさ。
オレってかなりださくね?