「何言ってんの!

あんたたちは、先輩を振り向かせるために努力した?

何もしてないでしょ!」


「そっかぁ。ゆりは、ちゃんと自分の口で告白したんだもんねぇ」


「そうだよ。見てるだけで文句言うなんて、甘~い!

好きなら努力しなくちゃ!」



「ん?何が努力だって?」


「た、田口先輩!

なんでもないです!」


スポーツドリンク片手に、私たちの会話の中に割って入ってきた先輩に、

みんなは急に静かになった。


「さて、じゃあ帰るか。

ゆり、一緒に行く?」


背中越しに女の先輩たちの嫉妬の気配を感じたけど、

なんてことはない。


優越感の方が、はるかに気持ちいいから。