「そうかなぁ」


『大丈夫だよ。

“私たち”のママは、やさしいもん』


「そっかぁ。

そうだよね!」


『そうだよ』


あたしは、姿の見えない相手を気味悪く思いもせず、

頭の中の声と会話を続ける。


「ねぇ、名前は何がいいかな?」


『そうだね。ミミっていうのはどう?

ミ~って鳴いてたから』


「ミミか!よし、今日からお前はミミだよ」


あたしは子猫をそっと抱き上げ、家へと急いだ。