『中々外の世界を見る機会なんてないからさ。
よーく見て、楽しんでおいで』



祥太郎はそんな風に言っていたけれど、あたしには何となくしかわからなかった。



何となくは、わかる。

でも、祥太郎があたしに何を教えたいのかは。

…ま、いっか。





そして12月23日。

祝日にも関わらずあたしと奈々はバイト初日を迎えた。