あたしは建物の外に出る時に何ともいえない淋しさを感じた。

また…

もし戻って来れる機会があれば。

戻って来たい。



そう思える場所だった。



「むっちゃん!」

自転車をこぎながら奈々は言う。

「もし、また今年の年末、行けるなら行こうよ〜」

最初は嫌がっていたのに、奈々はそんな事を言う。

「うん、そうだね〜」

これは光さんと交渉しなければいけないな…

悠斗も巻き込んで悠斗から言ってもらうのも手かな。

「奈々!」

あたしは奈々を見つめて笑った。

「光さんを悠斗と二人で説得してね〜」

「もちろん!!」

奈々も笑った。