「ハァ、ハァッ…」
ソフィアは兵たちと共に城の地下にある抜け道を一心不乱に走っていた。
この抜け道はもしもの時のために先々代が造らせたもので、入り口はひとけのない裏庭にあり敵へ見つかる心配はない。
それに出口も城の裏にある森へつながっているので、ここを抜ければ安心だ。
「姫様、もうすぐ出口でございます。」
「やっとなのね…」
「はい、しかしまだ安心はできませぬ。敵が抜け道に気づかぬうちに森へ抜けなければ…!!」
歩き出してしまったソフィアへ
兵たちが囁くように言った。
「そうだったわね…
ごめんなさい…」
その会話をあとに
ソフィアたちは一言も会話を交わすことなく再び走り出した。

