「姫様!!急いでこちらへお越しください!!敵国の兵たちが攻めてまいりました!!」
「えっ!?兵たちが攻めて!?」
ソフィアはもちろんイリアも心底驚いた。
―敵国が攻めてくる!?
そんなはずないわ…
今まで争いごとには無縁だったラディナ国。
民たちを含め、貴族たちも逆らうことなく平和に過ごしていたはず…
そんな国に、まともに戦った兵たちなど一人もおらず、また必要もなかった。
それ故、今戦えば負けは確実である。
長年ラディナ国の侍女を勤めてきたイリアでさえも動揺を隠せないでいるのだ。
「…ッ!!
ソ、ソフィア様!!
とにかく兵たちの言う通り早くこの場所から離れましょう!!」
「…はい・・・。」
ソフィアはまだ敵国が攻めて来たという実感がわかないでいるようだ。
「兵たち、早く姫様を安全な場所へ!!」
イリアが兵たちへ叫んだ。

