「ねぇ~緋音~」

「……何だ?」

「暇」

「………外で走ってこい」


律が暇だと目の前で不貞腐れている。
それもこれも貴羅と維世が律をおいて出かけて行ったからだ。


「2人共どこ行ったのかな~」

「電話でもしてみたらいいだろ」

「だってさ~」


律はケータイをいじっているだけで電話する気はないらしい。
さっきから画面を睨み付けるようにみつめている。

すると突然パタンとケータイを閉じ立ち上がった。
どうしたのかと見上げると

「………走ってくる」

「………………」

ポケットにケータイを突っ込み部屋を出て行った。



「………何だ?」


とりあえず、誰もいなくなってしまったので適当なその辺にあった雑誌を広げてみる。

「……………暇だな」


バサリと雑誌をソファーに放った。