ガバッと勢いよく跳ね起きる。 「ー……っ」 夢だ。 貴羅がいるはずない。 「貴羅は……死んだんだ」 手の甲で額の汗を拭う。 いつの間にか夜になり部屋の中は真っ暗になっていた。 カーテンを開ける。 今日は満月だ。 「貴羅……」 満月に手を伸ばす。 「……ごめんね」