「で?聞きたいことって?」 私は勝手に長門夕貴の横に腰を下ろし弁当を広げる。 今日は少し風が強い。 「一年前……貴羅が死んだ。」 どきっとしたが、 平然なフリを装おってご飯を口にはこぶ。 「族同士の争いで死んだらしい」 「…………知ってるよ」 私もその場にいたから。 箸を置き、ぎゅっと拳を握りしめる。 「私もその場にいたから知ってる」 その時の抗争でも龍姫率いる『紅龍華』は圧勝だった。 ただ1人の命と引き換えに。