海辺の狼〜イケメン4人に愛されて〜


「…遼ってさ」

「んー、何」


俯き加減で声を発した夏。

あたしは大して気にもせず、コテージから目を逸らさない。


「凛と仲良くなってきたな」

「え? そう? そうかな!」


突然、何を言い出すかと思ったけど。

ふぅん、周りから見ても仲良くなれてるんだ。


「…凛は普通、あんな早くなつかないと思う、人に」

「え、そうなの?」

「…ああ」


じゃああたしの場合は普通じゃないっていうのか。

夏の言葉の意味がよく理解できずに、あたしは「うーん」を唸る。


「あ、そういえばさ」


あたしはいきなり夏に視線を向ける。

頭にふと浮かんだのだ。

少し前から気になっていたことが。