「な……凛っ!?」


数秒後、海面から顔をのぞかせたのは、ずぶ濡れの凛だった。


「何やってんだよりーん!」


夏は大して驚きもせず、ケラケラ笑いながらそれを見ている。


「…飛び込みたくなった!」


凛はそう言って能天気な笑みを浮かべた。

よ、読めない…こいつ!!


「一之瀬くん…また風邪でもひいたらどうするんです…」

「あー…大丈夫だよ」


呆れたように言う暦くんに対して、凛はまるで他人事のような顔で返事をした。


本当に、フリーダムな奴だな、凛って。

そう思うと自然に顔がほころぶ自分がいた。