─そんなこんなで、数日後。



「やーっほーい!!」

「着いた───あああっ」


バスから真っ先に飛び降りたのは、あたしと夏。

その後から、凛、紅次郎と続いた。


「何度も言いますが、遊びに来たのではないですからね」


暦くんは列の一番後ろで、ブツブツと小言を言っている。

あたしはそれに聞き耳をたてず、大きく深呼吸をする。


「ふぅー…なんか海は見慣れてるから新鮮な気がしないけど…ここって、海もあるし山もあるんだなっ!」

「ええ…自然の中で過ごすのもなかなかいいものでしょう」

「そうだね、暦くん」


ドボンッ


「え!?」


ふいに背後で、水しぶきがあがる。

何事かと振り向いて海をのぞく。