「どうしたの、凛」 ガバッと体を起こした凛は、髪が汗でかすかに濡れていた。 息が荒い。 怖い夢でも見たのかな。 「大丈夫、凛?」 「………っ!?」 凛はハッと我に返ったようだった。 今、ちゃんと目が覚めたらしい。 「…あぁ……俺」 「倒れて、寝て、うなされて、寝言言って、起きたよ」 「あぁ、そうか」 凛は「分かった」という様子で、髪を結んでいたゴムをほどいた。 結んだ跡はついてなくて、金色の絹糸のような髪はサラサラと凛の肩に落ちていった。