「一之瀬くんのことだから明日にはケロッと元気になってるでしょう。そんなに心配しなくても大丈夫ですよ」 「そうかな、だといいけど」 「ええ」 凛のことをよく知ってる暦くんだからこそ、言えた言葉だったと思う。 「だから早く部活行きなさいよ」 「う…」 それかけていた話は、暦くんによってあっけなくレールに戻された。 あたしはがっくりと肩を落として再び部活へ行く準備を進める。 テニスは楽しいんだけど…この暑さだしなぁ…。 心の中で愚痴をこぼしながら、炎天下の窓の外を見たそのとき。