「……っ、ははっ」 掠れた笑い声が聞こえる。 それを漏らしたのはもちろん凜だ。 凜しかいない。 「…お前、本当に変だよ」 凜は本日二度目の笑顔を見せた。 「心配しなくても、お前にはすぐ懐くよ。待ってろ」 ふわ、と頭に何かが載せられた。 さっき地面に落ちた、ふわふわの凜のタオル。 載せたのは凜だった。 「ちゃんと汗拭けよ」 「うん!!」 「じゃあ俺、先に制服に着替えてくる」 凜はそう言い残すと、軽そうなスポーツバッグを持って古びた部室に入って行った。