───────────── 数分後。 あたしは地面に大の字になっていた。 「り、凛…、強すぎ…っ」 「何だよ、もう疲れたのかよ」 「だって凛、本気で来るんだもん…」 凛にコテンパンにされたあたしは、情けなく地面に倒れこんだ。 ざり、ざり…と足音が、こっちに近づいてくるのが分かる。 うっすらと目を開けると、凛があたしを見下ろしていた。 その顔がなぜか不思議そうだった。 「な、泣いてるのか?」 「えっ!? あぁ、これ…汗」 凛が不思議がっていた理由が分かった。 汗が涙に見えたらしい。