「仲良くなりたいと思ってるよ。一緒に朝練来てるのは、そこでたまたま出会ったからだけど」 「……そうか」 紅次郎がぼそりと返事をした。 心ここにあらず、って感じだ。 珍しい。 「紅次郎、暦おはよう」 「…おはよう、凛」 「おはようございます、一之瀬くん」 挨拶の現場ひとつとっても、この三人が親しい間柄だってことが手に取るように分かる。 凛の表情はいつもと変わらないようで、少し和らいでいるようにも見えた。