海辺の狼〜イケメン4人に愛されて〜




「ん、何ですか如月さん。…さっきから視線を感じるんですが」

「い、いや…部長ってばイケメンだなと思って! はは、ははは…」

「ふん、くだらない」


笑ってごまかしたけど、この人には冗談は通じないみたいです。

眼鏡のフレームをくいっと上げると、スタスタと一人で歩きだした。


「あーもー、待てよ暦っ! せっかくだから三人で行こうぜー」

「そうだそうだ!」


夏とあたしは暦くんの後を追いかける。

暦くんは少しだけ振り返ると、こっちを見て皮肉っぽく笑った。


「あんのサド部長…」

「よし、遼、走るぞ! 暦より先に部室だーっ」

「お──うっ!」


夏に続いて、あたしも走り出した。