ふと気が付いた。 転校生くんに話しかけてみようかな。 知り合いが居るとはいえ不安…だろうし。 何より、それが分かってるのはあたしだと思うんだよね。 よし、勇気出して話しかけてみよう。 「あのさっ」 勢いよく後ろの席に座っているであろう一之瀬くんを振り返った。 「あ、れ…」 一之瀬くんは、教科書を壁みたいにして、居眠りしている。