「一之瀬、お前も席に着け。一番後ろだ」 「…ハイ」 担任が促すと、転校生はめんどくさそうにこっちに歩いてきた。 どうやらこの人の席は、あたしの後ろみたいだ。 …なんか、幼なじみ同士に囲まれて、邪魔じゃないかな、あたし。 ガラッ 転校生が椅子をひいた音が背中から聞こえる。 なんだか、今まで誰も居なかった場所にいきなり転校生が来るのって、緊張する。 …といっても、あたしも転校生だったんだけど。 「はい、じゃあ授業を始めるぞー」 担任のやる気のない掛け声。 それでも授業は始まった。