♪キーンコーンカーンコーン♪

教室に入ったとほぼ同時にチャイムが鳴った。

よし、今日もいいかんじにギリギリセーフだ!!

自慢できることじゃないけど。


「如月さんも相馬くんも、朝練はとっくに終わったはずですよ…一体何の寄り道していたらこんなに時間がかかるんです」

「たっはー、暦は説教ばっかりだな」

夏はうんざりした様子で言った。

暦くんは暦くんで呆れたようにため息をついた。


「気を付けてくださいよ…補修などになったら、部活にも来られないんですからね」

「はーい。それより暦くんて、あれだよね」

「…何です」

「お母さんみたい」


暦くんの動きが一瞬フリーズした。