「そういえばさ夏、さっきコートに金髪の男の子が居たんだけど…知らない?」 あたしの問いかけに、夏は首をかしげた。 「さあ…もうテニス部の奴は俺で最後だったから」 「そっかあ」 曖昧に返事はしたものの、疑問は残る。 夏が知らないなら、この学校の生徒じゃないのかなぁ…いや、そんなわけないか。 だったらこんな時間にこんな場所に居ないもんな。 あたしは『まあ、いっか』と心の中で自分なりに問題を片付けておいた。