「あーれ、遼? 何してるんだよ」

「ひっ!? あ、あぁ…夏」


後ろから突然声をかけられて、思わず「ひっ」とか言っちゃった。

夏は不思議そうにあたしの顔をまじまじと見ている。


「何かおもしろいもんでもあった?」

「んっ、いや? なんていうか…」

「じゃー早く戻るぞ! ホームルーム始まるだろ」

「あっ…うん」


夏があたしの手を引いて走る。

その速さはだんだん加速していく。


そ、そうだ、夏足速いんだった…!